漢字からことばや文字への興味、そして読書へ
『公文式の漢字カード』は1978年に生まれました。公文式創始者の公文 公(くもん とおる)は、「算数・数学だけではなく、子どもたちを本好きにして本から学べるようにしたい」という強い願いをもっていました。当時、漢字教育を熱心に行っていた石井式の石井勲氏との交流もあり、本を読めるようになるための語彙を、幼児がひらがなより楽に覚えられると言われる漢字で増やすことをねらって「漢字カード」が開発されました。
改訂の歴史
『公文式の漢字カード』は、一般的なトランプくらいの大きさでしたが、検証の結果、乳幼児にはもっと大きい方が扱いやすいということがわかりました。1979年発売の『大判漢字カード』から今のB6サイズとなり、このサイズが今も続く「くもんのカード」の基本サイズです。
1985年に発売した『新大判漢字カード』では、それまでのまんが風のかわいいイラストから、幼児がより親しみやすいように、実物に近い絵を採用することにしました。調査の結果、年齢が低いほど、より実物に近い細密画を好むことがわかったからです。
現在の『漢字カード』(1~3集)でも、1集は細密画ですが、2集、3集になるにつれ、より抽象度の高いイラストへとステップアップしていきます。
乳幼児には「ひらがな」より「漢字」の方が覚えやすい
漢字は、ひらがなより形に特徴があり、認識するための手がかりがたくさんあります。その上、1字1字に意味があるため、絵と文字のイメージを結び付けやすく、特に乳幼児期の子どもには、ひらがなより覚えやすいのです。また、たくさんの漢字をくり返し見て覚えるうちに、ものや形をパッと見分ける力や、記憶力なども育っていきます。
やがて高い読書力へとつながっていく
公文で学習するたくさんの子どもたちの事例研究から、読書能力こそが「自学自習」を可能にし、その効果を高めることがわかってきました。
本を読めるようになるためには、ことばを豊かにすることが大切です。漢字を使ってことばや文字への興味に導く『漢字カード』は、すべての学習の基本となる読書力へつながっているのです。