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『ミステリー×日常英会話×基本英単語 名探偵の英単語』発売中!

英・日バイリンガルのミステリーを題材に、中学レベルの基本英単語と日常英会話を学ぶことができる単語帳

【ストーリー】

仙野探悟(せんの・たんご)は、英語が苦手な中学3年生。日本では「名探偵」として活躍し、楽しい毎日を送っていたものの、家庭の事情でアメリカのシアトルへ移住することに。入学した学校で出会った新聞部の仲間に誘われ、初代校長が遺したとされる特別な宝物の謎に挑む。

【特長】

①「英語からすっかり離れてしまって、ちょっとした単語すら出てこない…」という方にオススメ!
中学校の教科書で採用されている基本英単語1,000語が会話劇仕立てのミステリーに巧みに組み込まれているため、楽しく学び直せるのが本書の特長です。
表現と単語パートでは、ミステリーパートの中ですでに読んで知っている主人公のセリフが例文になっているので、抵抗感なく学習を進めることができます。

②オーディオドラマを含む6種の音声が、インプットとアウトプットを丁寧にサポート!
たとえ単語を覚えたとしても、「会話で使える」ようになるためには、アウトプットの練習が必要です。本書では、①オーディオドラマ ②例文まとめ ③単語音読 ④例文音読 ⑤和訳練習 ⑥英訳練習の計6種の音声がついており、音声に従って学習を進めるだけで、単語力だけでなくスピーキング力も身につけることができます。

作者のことば
清涼院流水

くもん出版のSさんから『名探偵の英単語』という企画をご依頼いただいた時のことは、とてもよく覚えています。本書の企画は、Sさんが高校時代に「単語は文の中で覚えないと使えるようにならない。それなのに、どうして英単語帳の例文は難解で覚えにくいものばかりなんだろう」と感じたことが出発点でした。Sさんは何年もの時間をかけて企画を熟成させ、私にご依頼いただいた時には、「基本英単語1000語をミステリー仕立ての会話例文で覚えることで、楽しみながら語彙力+スピーキング力をアップする本」という現在の完成形と同じ内容にまでブラッシュアップされていました。

Sさんは長年あたためてきた企画内容に自信を持っていましたが、その構想を形にできる書き手が見つからず、最後にたどりついたのが、日本でただひとりミステリー作家と英訳者の二刀流を続けている私だったのです。Sさんは「この人にお願いして無理だったら、だれにもできない。もうあきらめよう」と覚悟していたそうです。私にとっても、それは決して簡単ではないご依頼内容でしたが、「この企画をきちんと形にできる者がもし存在するなら、地球上にただひとり、私だけだろう」という強い確信があったので、今まで一度も経験したことのない新たな挑戦として、腹をくくって、お引き受けしました。

これまで28年の作家活動で80冊以上の本をつくり、英訳者として12年で140作以上の英語作品を刊行してきた私にとって、面白いミステリーを書くことや、それを英訳することは何も難しくありません。ですが、主人公の会話に基本英単語1000語を不自然ではない形でちりばめるという作業は、ひとつでもピースの位置がズレたら完成させられない、最高難易度のジグソーパズルのようでした。しかも、「主人公のセリフすべてに基本英単語を入れる」というのはSさんからの依頼ではなく、自分で勝手に設けたさらに難しい挑戦でした。Sさんとしては、すべてのセリフに基本英単語が含まれる必要はない、と思っていたはずですが、私は「どうせやるなら完璧な形にしたい」と思いついてしまったのです。自分でも「やっぱりこれは不可能な挑戦じゃないか」と、あきらめかけたことが何度もありました。私にとって文章を書くことは好きで、まったく苦痛ではないのですが、単語の入れ方をなかなか思いつかない時には、さすがにストレスや苦悩がありました。だからこそ、最終的に理想の形で実現できたことには、奇跡と呼びたくなるほどの達成感がありました。

Sさんの熱意ある誠実な編集作業のおかげで、素晴らしい本ができあがりました。また、忘れてはならないのが、可愛らしいイラストを描いてくださった横さんです。横さんのイラストは、見ているだけで思わず微笑んでしまう癒し効果がありました。横さんは、これからますますご活躍されるだろうな、と確信しています。

私が最初から最後までずっと抱えていた唯一の懸念は、「基本英単語のレベルが簡単すぎないだろうか」ということでした。ですが、だからこそ、これから英語を勉強する学生さんや、学生時代に覚えた英語をすべて忘れてゼロからの学び直しを考えている大人の読者の方にもストレスなく楽しんでいただける、やさしく楽しい英語本になっていることを期待しています。

本書はSさんの情熱と努力がなければ、決して実現しなかったものです。読者のあなたがもし本書の何かの部分を気に入ってくださるとすれば、その功績は著者の私ではなくSさんにあります。得難い貴重な体験をさせてくださったSさんに、この場をお借りして、著者として感謝の気持ちを申し上げます。ありがとうございました。

【プロフィール】

著・清涼院流水

1974年8月9日、兵庫県西宮市生まれ。作家。英訳者。The BBB(作家の英語圏進出プロジェクト)編集長。京都大学在学中の1996年、『コズミック』(講談社)で第2回メフィスト賞を受賞し、作家デビュー。以後、小説、ビジネス書、ノンフィクション、英語関連本など著作は80冊以上。小説執筆のかたわら英語学習を始め、独自のメソッドでTOEIC(現LR)テスト満点を5回獲得。2009年から2017年まで主宰していた「社会人英語部」では、部員のべ65人のTOEC平均スコアを900点台に導いた。2012年にスタートさせた「The BBB」プロジェクトでは、日本人の小説家やビジネス書著者の作品を英訳して全世界の電子書店で販売しており、著者、英訳者、編集者として140作以上(2024年8月現在)の英語の電子書籍を手がけている。英語関連の著作に『50歳から始める英語』(幻冬舎)、『社会人英語部の衝撃』(KADOKAWA)、『感涙ストーリーで一気に覚える英単語3000』(明日香出版社)などがある。

The BBB公式ウェブサイト日本語版https://thebbb.net/jp/

絵・横

公務員を経て、イラストレーターとして独立。主な仕事に『人に言えない男女の悩みをすべて解決する おとな性教育』(KADOKAWA/2023)の挿絵、『推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない』(ディスカヴァー・トゥエンティワン/2023)の装画、まんが王国・土佐PR動画(2024)の作画など。